お客様相談室のチームメンバー
取材に応じてくれたシフォンちゃん
受付にはペットフードが陳列されている
ロイヤルカナン ジャポン
飼い主に寄り添う共感性をもたらす
“ワンちゃん・ネコちゃん”社員の存在
「彼らの仕事内容は“社員を癒すこと”です」──ペットフードメーカーのロイヤルカナン お客様相談室長の大石恵津子 獣医師は、この日、出社してくれたシフォンちゃんを見ながら笑顔で語った。同社では“ワンちゃん・ネコちゃん”と一緒に出社することが可能で、社員は彼らのことを「職場の仲間」として接している。シフォンちゃんの飼い主でもあるカスタマーケア エグゼクティブの谷野仁科 獣医師は「出社する際にキャリーを出すと、自分から意気揚々と入っていくほど、出社が楽しみなようです」と語るように、シフォンちゃんも礼儀正しい様子で取材に応じてくれた。
彼らの仕事はそれだけではない。「普段、あまり関わることのない部署の社員との交流も活性化します。所属ではなく、飼い主として覚えられるので、コミュニケーションのきっかけになっています」と、同室を統括するカスタマーケア マネージャー 武者昌彦氏は語る。
同社の“ワンちゃん・ネコちゃん”に対する思いは、ひときわ熱い。「カスタマーとは、飼い主ではなく犬と猫」という意識が浸透しており、顧客対応にも表れている。電話を受けるオペレータは、全員が獣医師または動物看護士の資格を所持しており、「どんな成分を使っているのか」「今までは食べていたのに急に食べなくなった」「最近太った」などの難易度の高い相談に対して、獣医学に基づく専門的な知識を武器にペットの健康維持を支援している。「“伝えた”と“伝わった”は違う」という意識のもと専門的な内容をいかにわかりやすく話すかを追求し、「説明がわかりやすい」との回答は満足度調査でもなんと95%を超える。
谷野 獣医師は「臨床医として働いていたときは、どうしても救うことのできない命もありました。だからこそ、ここでは療法食を通して病気の予防を提案することにやりがいを感じます」と力強く語った。“ワンちゃん・ネコちゃん”と一緒に働いているからこそ、飼い主への共感性が高まり、心から寄り添ったパフォーマンスが可能になるのかもしれない。