和やかな空気が流れるセンター
浄土真宗本願寺派築地本願寺
僧侶とオペレータが二人三脚
話を聞き心に寄り添う応対を実践
築地本願寺(東京都中央区)は2017年、“開かれたお寺”を目指し、電話で気軽にお寺とのご縁を作ってほしいと、コンタクトセンターを開設した。
こみ入った相談も多いことから、21年にはオペレータのすぐそばに僧侶がいる環境が望ましいと、寺院内に拠点を移し運営も内製に切り替えた。オペレータやSV、僧籍を持つ同寺院の職員ら約20名が在籍。365日(9時〜17時)稼働し、3〜4人のオペレータと職員が1日200件ほどの問い合わせに対応している。伝道企画部の相馬顕子マネージャーは、「お墓や法要、心の内を僧侶に話したいといった電話も多いため、“コンシェルジュ”として寄り添い、思いを汲んだ対応を目指しています」と説明する。
センターを担当する伝道企画部の戸見嶋 淳昭主任(中央)、相馬顕子マネージャー(左)、井手誠哉氏(右)
オペレータは派遣社員で構成される。派遣元には話をよく聞き、聞いた内容を分かりやすく“翻訳”して、整理もできる人材を依頼している。「疑問や悩みを、うまく言葉にできない人もいらっしゃいます。まずは話をよく聞くことが重要なため、トークスクリプトは作っていません」と、同部の戸見嶋 淳昭主任は語る。スクリプトがないことは、オペレータのモチベーション向上にもつながっている。また、職員がスタッフと机を並べて座ることで、専門知識を要する問い合わせに対し、エスカレーションしやすくもなっている。
親近感や新たな顧客接点の創出を目指し、敷地内にはカフェを併設し、入会金・年会費無料の「築地本願寺倶楽部」なども運営。コンタクトセンターも、ひとつの接点として、チャットボットなどの新たなチャネルを拡げていく方針だ。
本堂には御本尊「阿弥陀如来」が安置されている
アジアの古代仏教建築を模した建物が参拝者を出迎える