アディッシュ
KPI設定からシステム選定、業務代行まで
“カスタマーサクセスのBPO”を展開
日本国内では歴史が浅く、経験者の少ないカスタマーサクセス業務。それだけに採用難に陥りやすく、組織マネジメントも手探りという企業は少なくない。アディッシュではそうした企業を対象に「カスタマーサクセス業務のアウトソーシングサービス」を提供している。単なる運用代行のみならず、ゴール/KPIの設定からプロジェクト管理、ペルソナ策定までカバー、戦略的な実行を支援する。
「国内のカスタマーサクセス業務経験者は少なく、多くのスタートアップ企業は恒常的な人手不足に直面しています。一方で、サクセス業務のBPOベンダーは少数、需要は圧倒的に多いと感じます」──アディッシュ執行役員 経営戦略本部長の小原良太郎氏は現状を説明する。
そうした需給の不均衡を埋めるべく同社が提供しているのが「カスタマーサクセスの支援サービス」だ。従来、カスタマーサポート業務の受託を展開してきた同社のサクセス業務代行をはじめるきっかけとなったのが、日本市場に参入する米国SaaSベンダーからの発注だ。営業経験者らを採用し、サポート経験者らと連携、委託元のSaaSベンダーが提示するカスタマーサクセス関連のKPIを中心にマネジメントした。小原氏は「(クライアントと)二人三脚で蓄積してきたナレッジを、さまざまな業界のサクセス業務に応用し、将来的にはひとつのスキームを構築したい」と語る。
同社が提供する支援例が図だ。現状で最も高いニーズは「目の前に積み重なったオンボーディング業務をこなすこと」(小原氏)という。カスタマーサクセス業務自体、経験値の浅さから手探りで何から着手したらよいかわからない状態の企業も多く、トラブルの火消しといったサポート業務に近いケースが目立つようだ。小原氏は、「“何をサクセスとするのか”、話し合いのなかで明確にし、戦略的なサクセス組織となるようなフォローを意識しています」と説明する。顧客セグメントをリテラシー別に区切りリソース最適化を図ったり、組織体制づくりを支援するなど、幅広い業務支援を志向している。
(2023年8月号 月刊「コールセンタージャパン」掲載)