<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
ジュピターテレコム(J:COM)
バックオフィス業務をRPAで効率化
顧客情報の確認・処理時間を“7分半/件”短縮
RPA(Robotic Process Automation)活用において、人間のPC操作をロボットにトレースさせても、効率的に処理できるとは限らない。ジュピターテレコムは、バックオフィス業務を担う関東オペレーションセンターの内部に専任担当者を設け、RPAを適用する範囲で発生するすべての処理フローを洗い出し、ロボットが効率的に処理しやすいよう、「同一システムの連続処理」などフローに変更を加えた。結果、1件あたり11分かかっていた処理が3分半に短縮。オペレータの業務負荷軽減およびコスト削減に成功した。
今月のPOINTS!
■システム概要
ジュピターテレコムは、バックオフィス業務を担うオペレーションセンターに、ナイスジャパンが提供するRPA半自動ロボ「ナイス・デスクトップオートメーション」を導入。モバイルサービス(MVNO)申込み業務のデータ転記処理の一部を自動化した。
■選び方のポイント
選定とPoC(Proof of Concept)に約1年をかけデータを読み込む必要がある複数の基幹システムとの画面学習における相性を重視。業務画面上にあるテキストデータやボタン、入力ボックスなど、PC画面上の操作対象となるオブジェクトの認識精度が最も高かったことが採用の決め手となった。
■使い方のポイント
RPA専任チームを社内で立ち上げ、「3カ月に1回」程度のレアケースなども含めて業務で発生するPC操作を洗い出し、さまざまなケースにおけるオペレータの操作手順を抽出。この操作手順をベースに、ロボットが“処理しやすいフロー”を創った。結果、1件あたりの作業時間は11分から3分半に短縮した。
写真左から、お客さまサポート本部オペレーション部関東オペレーションセンター統括コーディネーターの大島由喜氏、同センター統括コーディネーター・アシスタントマネージャーの吉見 宏氏、同部マネージャーの渡部 亮氏
図 RPAの活用イメージ
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