「160万時間」を削減したノウハウを武器に
三井住友銀行がRPA市場に参入
もはや銀行は金融商品だけを扱う業種ではない。メガバンクの2行はそれぞれ子会社で「RPA」導入支援ビジネスを開始。三井住友銀行が設立した新会社、SMBCバリュークリエーションの山本社長は、RPAについて「単なる自動化ではなく、業務を透明化し、日本経済を底上げできる仕組み」と意気込む。
PCで実施する定型業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)。人手不足を追い風に活用機運が高まり、市場が急速に拡大している。
これを受けてIT事業者のみならず、BPOや人材派遣会社などさまざまな企業がRPAビジネスに参入している。RPA活用で先行してきた都市銀行もそのひとつだ。
メガバンク3行は、2017年頃からRPAを積極的に活用し、生産性向上を強調してきた。その活用実績をベースに、2018年2月からみずほ銀行は子会社であるみずほ情報総研でRPA導入支援サービスを展開。2019年4月からは三井住友銀行がRPA導入支援を専業とする新会社、SMBCバリュークリエーションを設立した。
三井住友銀行では、2018年度には約1100業務について160万時間分の労力を削減(図)。2019年度には300万時間分の削減を目指している。同行のRPA活用をリードし、SMBCバリュークリエーションを設立した山本 慶社長に、RPA活用のポイントと新会社で果たす役割を聞いた。
図 三井住友銀行におけるRPA導入の成果
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