人材教育の拠点「寺子屋」を作る!
“顧客視点”の文化醸成に貢献
トッパンコミュニケーションプロダクツ
BPOセンター
第3運用部 2チーム(本所コンタクト)
主任(受賞時)
木之村 博子 氏
Profile
木之村 博子 氏(きのむら・ひろこ)
2007年、SVとしてトッパンコンタクトセンターに配属。以降SV業務の傍ら、人財育成に注力し、2018年に教育チーム「寺子屋」を立ち上げた。2019年2月に退社後、企業情報化協会(IT協会)に入職し、経営ソリューション推進センターに配属。マネージャとして、コンタクトセンター業界の価値向上を目指して活動している。
凸版印刷は、国内トップクラスの規模を誇る印刷会社であり、当然ながらBtoB中心のビジネスを展開している。木之村博子さんが所属していたトッパンコミュニケーションプロダクツは、その子会社でありながら、年間100件以上のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)案件を受託しているアウトソーサーだ。クライアントには、BtoBだけでなくBtoCビジネスを展開する企業も多数、存在する。こうした場合、“BtoC文化”の浸透はかなり苦労しがちだ。木之村さんは、現場のリーダーとして、あるいはクライアントと連携するコンタクトディレクターとして、顧客視点の徹底に尽力した。
高い情報のアンテナで吸収
他部門の信頼も勝ち得る
木之村さんが関与した業務は、プロモーション系、セキュア系、官庁系、CRM系、通販系など、実に多岐にわたる。そのほとんどに業務設計段階から関わり、SV(スーパーバイザー)やオペレータの教育にも従事してきた。
企業文化として生産性重視となるのは、BtoBで生産ラインを持つ企業のグループである以上、当然のことだ。そうしたなかでも、木之村さんは粘り強く人材教育の必要性を社内に説いた。在京地区にある朝霞コンタクトセンターと本所コンタクトセンターの人財育成を包括的に取り組むべく、「寺子屋」と名付けた教育チームを設立。「人財」としての育成、品質向上に専門的に取り組むことで、コンタクト業務の全体的なレベルアップに貢献するだけでなく、「コンタクトセンター全体に、学び、向上したい」という意識の変革を生み出した。その後は、札幌コンタクトセンターや他部署からサポート依頼もあり、オンサイト現場のスキルアップ施策や、マニュアル・手順書の見直し、他部門の研修実施までカバーした。
また、コンタクトセンターの現場業務は、多忙なあまり外部との交流が難しく、「井の中の蛙」になりがちな傾向は否めない。木之村さんは、常に情報のアンテナを高く保ち、外部研修や交流会にも積極的に参加。さまざまな知見を得て社内の改善にフィードバックした。こうした行動力は高く評価され、社内担当営業や企画設計部門からの信頼も厚く、センターの価値を高める原動力となった。
なお、木之村さんは2019年2月、同社を卒業。現在は企業情報化協会(IT協会)でコンタクトセンターの価値を業界全体で高める活動に従事している。