三井不動産レジデンシャルリース(C-desk)
「迅速さ」と「丁寧さ」の両立が顧客満足度を生む!
内製化で挑む“入居者とオーナー”のCX向上
賃貸・分譲を問わず、マンション事業のアフターサポートの役割は多岐にわたる。とくに住宅設備の不具合・生活騒音などのトラブルは、可能な限り早い対応が要求されるが、シェアード型では、その要望を満たすことは難しい。三井不動産レジデンシャルリースは、100%子会社のアコモデーションファーストとともに入居者窓口を内製化、その課題に挑んでいる。
三井不動産レジデンシャルリース(MFRL)は、三井不動産グループの一角を担い、主に賃貸マンションを対象としたプロパティマネジメント(運営管理)事業を展開している。賃貸物件を所有するオーナーの不動産活用をトータルでサポートするとともに、そこに住むレジデント(入居者)に快適な生活空間を提供することが重要なミッションだ。入居者専用サポート窓口「C-desk」を運営するアコモデーションファースト コンタクトセンター(AFCC)では、“レジデント満足度の向上”を掲げ、そこで生まれる成果をオーナーに還元。レジデント満足度が高まればマンションの事業収益の安定・向上につながる。この両者の満足度向上が目指すべき姿だ(図)。
C-deskの最大の特徴は、コンタクトセンターを内製化している点だ。一般的にマンションのサポート窓口は、シェアード型コンタクトセンターによる業務委託で運営していることが多い。同社も以前は受付から一次対応までを他社に業務委託し、オーナーからは一定の評価を得ていた。しかし、レジデントからの評価は違ったという。 事実、入居者アンケートを実施したところ、電話をしてこなかった入居者ほど“三井の賃貸”に好印象を持っており、電話をくれた人からは「実際の応対にがっかりした」という声があった。C-deskの存在意義が問われたという。
不満の原因を分析すると、応対品質だけでなく、初期対応や問題解決までのスピードの遅れ、進捗管理の漏れによる伝達ミスなどに問題があることが判明。これでは入居者の期待に応えられないと判断し、内製化することで不満の原因解決に徹底的に取り組むことにした。記事では内製化に至る背景から現在までの歩みをまとめる。
後列左より、AFCCの根本圭一氏、巣鴨雄一郎氏、篠原 徹氏、羽生正人氏。前列左より、近内美和子氏、髙橋美奈子氏
図 アコモデーションファースト(AF)の提供価値を高めるサイクル
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6万8900戸超のMFRLの管理物件を「物件系」と「契約系」の2つの窓口で対応。建物設備の故障・不具合の連絡を受け付ける「物件系」は、平日8時〜22時、土日祝9時〜20時、32名で対応。賃貸契約の手続き・相談に関する「契約系」は、平日9時30分〜17時30分を13名で対応。それ以外の時間帯は業務委託で受けている。