コールセンター/CRM市場
2019年重大ニュース&
2020年市場予測
Part.1 <2019年重大ニュース>
一気に加速した「自動化」の潮流
活況呈したITソリューション市場
終わりの見えない採用難、依然として高い離職率。「人が選べない」状況が続く一方で、「カスタマーエクスペリエンス向上」という重責を担う組織であることに変わりはない。こうした課題を解消する唯一の手段が、「ロイヤルティを損ねない自動対応」「マネジメント機能の自動化」だ。チャットボットや音声認識システムの採用が相次ぎ、IT市場は活況を呈した。
コールセンタージャパン編集部が選定した「2019年重大ニュース」は図1の通り。市場を象徴する最大のキーワードは、「自動化」だ。とくに、多くの企業が採用を急いでいるチャットボットは、消費行動のデジタルシフト、若年層を中心とした「電話離れ」も相まってニーズが急拡大している。一方で「解決しない」「使えない」「むしろ手間が増えた」という事例もあり、早くも撤退する動きもある。
また、音声認識機能や感情解析の進化も、マネジメントの自動化に貢献しつつある。全件テキスト化による評価や重クレーム抽出、オペレータのストレス診断など、やはり人手不足に陥っている現場リーダーの業務軽減に貢献する事例も登場している。
図1 2019年重大ニュース
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Part.2 <2020年市場予測>
新たなIT需要を生むか──
「真のエフォートレス」への適応
2020年、コールセンター運営企業は、まず4月から施行される「同一労働同一賃金」への対応が迫られることになる。「雇用形態のカオス」と言われるほど多様性に富んだコールセンターにとっては、極めて大きなターニングポイントになる可能性がある。同時に人手不足対策として、顧客対応の自動化も待ったなしの課題。ここでは、単なる省力化ではない「顧客の利便性」を追求した“真のエフォートレス思想”が求められることになりそうだ。
2020年のコールセンター/CRM市場も、「自動化」がトレンドになることは間違いない。IT市場は引き続き、成長を続けるだろう。しかし、その条件としては、より「カスタマーエクスペリエンス」にフォーカスし、かつ社内業務の効率化も進行させる“エフォートレス”の考え方が欠かせない。2020年は、「ロイヤルティを損ねないエフォートレス・エクスペリエンス」を模索する1年になりそうだ。
図2 2020年市場予測
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