カスタマー・エクスペリエンス本部 伊藤世由シニアマネジャー
センター内のフリースペースで打ち合わせや休憩ができる
常備しているドリンク
アンカー・ジャパン
Amazonのレビューまで集める
カスタマーサポートの新しいカタチ
米国・日本・欧州を中心にモバイルバッテリー、ワイヤレスイヤフォンなどのデジタル関連製品を販売するAnker グループの日本法人アンカー・ジャパンのコールセンターオフィスは、今年7月に移転したばかり。オフィスの入り口には「下駄箱」があり、スタッフも来客者も全員、スリッパに履き替える。コロナ以前からの同社の慣習とのことだが、社内を清潔に保つために一役買っている仕組みだ。
広いオフィスにはゆったりと席が配置されており、中央のフリースペースでは昼食や休憩時間を思い思いに過ごすことができる。
およそ20名が在籍するカスタマー・エクスペリエンス本部では、電話、メール、チャットでの顧客対応のほか、顧客から返品されてきた製品の不具合箇所の解析と本社の開発部門および品質管理部門へのフィードバック、そして「Amazon」に投稿されたレビューのモニタリングも担う。
「日本市場で信頼を継続的に勝ち取っていくためには、お客様に長期的に利用してもらうことが必要。そのためには、お届けした製品に徹底的に責任を持たなければなりません」(カスタマー・エクスペリエンス本部統括シニアマネジャー伊藤世由氏)と話し、「第一優先はお客様の問題解決」という考えをセンターで体現している。不具合が生じればまず代替品を届け、動作確認が終わったタイミングで返送キットが届くようにしている。IVRも使わず、可能な限りワンコールで受電し、対応時間内は応答率95%を概ね維持している。
また顧客の声は、NPSやCS調査ではなく、SNSやブログ、Amazonのレビューなど、ネット上での生の声や評価を確認する。シビアな本音を拾い、すぐに製品および顧客対応に反映することで、製品力を磨く。カスタマー・エクスペリエンス本部は、このサイクルのカナメを担う存在といえる。