<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
福井県
道路情報の問い合わせを自動化
ボイスボット活用で2倍超の電話に対応
台風や大雪などの自然災害、交通事故などで、道路の一定区間の通行を禁止したり、通行する車両を制限することは多い。それを周知する交通規制情報は、トラックやタクシードライバーをはじめ、日常的に自動車で移動する人々にとっては不可欠だ。福井県は、AI Shiftが提供するAI音声対話サービス「AI Messenger Voicebot」を活用し、交通規制情報の問い合わせ対応を自動化する実証実験を実施した。24時間対応が可能になったことで、導入前と比較して210%の問い合わせに対応。実証実験を終了する予定の3月31日までの問い合わせ対応の総数は、例年比228%を見込んでいる。
今月のPOINTS!
■システム概要
福井県は、AI Shiftが提供するAI音声対話サービス「AI Messenger Voicebot」を採用、県内の道路に関する規制情報の問い合わせ対応を自動化した。音声対話エンジンを県庁が運営するホームページ「みち情報ネットふくい」と連携。問い合わせた人の発話から、確認したい道路名、または市町名を認識し、該当する規制情報を回答する。
■選び方のポイント
主要な問い合わせ層であるトラックやタクシーのドライバーは、業務中に情報を確認するため、停車中やハンズフリーで問い合わせ電話をかけている可能性が高い。より利便性と安全性を高めるために自動応答の採用を決定した。
■使い方のポイント
道路の正式名称だけでなく、「国道158号(いちごっぱ)」のような略称、「フェニックス通り」のような通称など、ドライバーの言い回しを学習して認識精度および回答精度を向上。これにより、ドライバーが加盟する福井県自動車会議所の利用者アンケートでは「再利用意向80%以上」の評価を得た。
写真左から、土木部 道路保全課 雪・安全対策グループ 主事の高村康平氏、土木部 政策推進グループ 主事の山本大貴氏
図 AI音声対話サービスのBefore/After
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