持続可能なセンター運営の手引き・前編
第4波に備えるセルフアセスメント
「感染症対策確認シート」活用のススメ
OPERA 山尾寿々子
新型コロナ感染症拡大から約1年が経過した。多くの企業が、厚生労働省のガイドラインに準じて対策を徹底しているが、感染リスクが高いとされるコールセンターでは複数のクラスターも発生。持続可能なセンター運営を目指し作成した「感染症対策確認シート」。その内容と、具体的な活用方法を解説する。
多くのコールセンターが何らかの感染症対策を講じていた2020年冬、それでもクラスターは相次いだ。例えば、2020年12月、沖縄のコールセンターで、15名のクラスターが発生した。センター内では感染対策を行っていたが、歯磨きなどで洗面所を複数人が利用したことで、感染が広がった可能性があるとみられている。
どんなに対策しても、どこかに盲点は発生する。自社の取り組みを再度疑って、検証を重ねたい。
対策の実効性を確認するための「感染症対策確認シート」を作成した(図)。今後、センター内でクラスターが発生しないよう、徹底、あるいは習慣化が望まれる項目を15個、挙げている。一見、当たり前の項目が並んでいるが、これらについて「対策ができている・できていない」と評価するのではない。実際に「どのように対策しているか」を明らかにすることを重視しているため、右列の「対応状況」には具体的な対策の内容を記入する、セルフアセスメントだ。
図 感染症対策確認シート
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