<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
ニッセン
電話の返品受付を77%自動化
完結率向上のコツはシンプルな会話設計
顧客の利便性と企業の生産性向上を両立する応対の「自動化」。効果を最大化するには、顧客視点における「自動化すべき用件の見極め」が不可欠だ。
EC・通販大手のニッセン(京都市南区、羽渕 淳社長)は、TACTの「AIコンシェルジュ」を活用して電話の「返品受付」を自動化。自動応答のフローは、一問一答、かつ「はい/いいえ」などのシンプルな発話で済むように作成するなどして、音声認識の精度を高め、返品受付の77%(3月実績値)の自動化に成功した。
今月のPOINTS!
■システム概要
TACTが提供するAI音声自動応答サービス「AIコンシェルジュ」を導入し、入電の約10%を占める返品対応を自動化した。自動応答した返品商品や引き取り希望日時・場所などのデータは、RPAを活用して基幹システムに連携。引き取り伝票を出力して、専門業者に引き継ぐ。
■選び方のポイント
柔軟な機能拡張が可能なクラウドサービスを前提として選定に着手。オペレータによる返品対応の通話音声データで音声認識の精度を判定、自動化に必要な項目の認識精度が90%を超えたことがポイントとなった。
■使い方のポイント
シンプルな対話設計を心がけ、音声認識の精度を高めた。例えば、本人特定は、商品配送時に封入している「商品お届け明細書」の納品書番号と会員登録時の電話番号の発話で実施。返品商品の特定は、商品お届け明細書に記載されている行番号を活用し、端的な発話で完結できるようにした。商品特定後は、音声合成で「黒系のセットアップスーツですね」などと確認、返品ミスの抑止を図った。
写真左から、法務・リスク統括部 お客様相談室 企画担当の松村泰年氏、室長の能勢智晴氏、企画担当の奥村 純氏
図 顧客への案内内容(抜粋)
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