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2021年11月号 <インタビュー>

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佐賀 文宣 氏

ウィズコロナ時代のコミュケーション基盤、大本命!
会議、イベント、電話──新市場開拓に挑む

ZVC Japan
(Zoom Video Communications日本法人)
社長
佐賀 文宣 氏

コロナ禍、顧客数を10倍以上の3万社にまで拡大したZoom Video Communications日本法人(ZVC Japan[Zoom])。3カ年計画だった売上高200億円も、1年半で達成する見込みだ。この急成長を牽引した佐賀文宣社長は、日本企業のコミュケーションの特性、現状を把握したうえで、戦略を語った。

Profile

佐賀 文宣 氏(Fuminori Saga)

ZVC Japan(Zoom Video Communications日本法人) 社長

1992年日本アイ・ビー・エム入社、ThinkPad開発やプロダクトマーケティング。2006年シスコシステムズ入社、Webexのパートナー開拓。2013年ヴイエムウェアでパートナービジネスを統括。2019年2月にZVC JAPAN社長就任。

──コロナ禍、最も世界的に注目を浴びた企業のひとつだと思います。売り上げなどの推移を教えてください。

佐賀 この1年半、日本法人は世界中のZoomのなかで最も高い成長率でした。米ZVCが2021年1月期に発表した売上高は26億5100万ドルで、前年度比4倍強。日本法人はそれを上回る前年度比10倍でした。今期ももちろん、好調です。

 日本は2018年にビジネス展開をはじめたばかりですが、グローバルでは米国、英国に次ぐ3番目の売上高となりました。ユーザー数も順調に増えており、有料のビジネスライセンスは3万社にご利用いただいています。とくに大手企業中心に導入が進み、国内の売上高上位500社の9割が一部導入、2割に全社導入いただいています。

──コロナ特需といえども、あまりにも急速な成長ですね。

佐賀 生活様式の変化によって、新しいコミュケーション・プラットフォームが必要になった点は確かに大きいです。以前は、企業の会議システムはポリコムやシスコシステムズなどが主流で、個人あるいはコンシューマはSkypeを使うなど、利用するツールが別々でしたが、Zoomは個人・法人ともに広く利用されています。具体的には、通常のコミュニケーションに会議ツール「Zoom Meetings」が使われ、オンラインセミナーなどで「Zoom Video Webinars」が使われています。

 2020年春以降、急速に知名度が向上しましたが、公共機関での利用がそれを後押ししたと思います。例えば、経済産業省からの要請ではじめた「全校休校マナトメサポートプログラム」などです。コロナ禍、当時の安倍総理が全国一斉臨時休業要請を出した際、Zoom MeetingsおよびZoom Video Webinarsを教育機関へ無償で提供しました。およそ3500校からの申し込みを受けました。

──売上高の大きい法人向けには、どのような戦略を展開したのでしょうか。

佐賀 営業方式の改革です。欧米では直販がスタンダードであることから、数年前まではグローバルでの営業も直販のみに限られていました。しかし、日本市場は旧来より、代理店販売が主流です。多くのITソリューションが他社製品とインテグレーションされ、SI経由で導入されていますので、米国本社に交渉に行き、代理店販売の許諾を取り付けました。これがコロナ禍に突入する直前でした。当初は、NECネッツエスアイ、ソフトバンク、日商エレクトロニクスなど7社と代理店契約を締結し、主に大手企業を開拓しました。現在、リセールパートナーは600社を超え、日本法人の売り上げのおよそ7割がパートナー経由です。

(聞き手・嶋崎有希子)
続きは本誌をご覧ください

 

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