認定資格制度を提供しているサポートサービス業界の国際機関HDI(ヘルプデスク協会)の日本法人HDI-Japan(運営:シンクサービス、神奈川県川崎市、山下辰巳代表)は10月20日(水)~22日(金)、「HDIアカデミー2021」と「KCSアカデミー2021」を同時開催した。HDI-Japanの20周年を記念して、今年は3日にわたり開催。セミナーは京王プラザホテル東京で開催した他、一部プログラムをライブ配信、リアルとオンラインのハイブリッドで実施した。
オープニングセレモニーでHDI-Japanの山下代表は、「この1年半、未曽有の大危機を乗り越えることにコンタクトセンターも必死でした。本イベントでは、みなさんとトンネルの先の景色を共に見るようなコミュニケーションを交わしたい」と述べた。
オープニングセレモニーであいさつをするHDI-Japanの山下辰巳代表
イベントでは、多くのパネルディスカッションやベンダー/事例企業によるセッションが行われた。
パネルディスカッション「マルチチャネルの今と未来 ~顧客の真のニーズとは~」には、ライフネット生命保険 営業本部 コンタクトセンター 若宮 駿氏、アルファコム 執行役員 垣内 隆志氏、HDI ファクルティ 髙橋 伸之氏が登壇。モデレータをHDI-Japan 田﨑 雅美氏が務めた。
左からアルファコムの垣内隆志氏、ライフネット生命保険の若宮 駿氏
左からHDI-Japanの田崎雅美氏、HDIファクルティの髙橋伸之氏
若宮氏は、AIチャットボット導入後、友人チャットが従来比20%に低減した事例を紹介。
多くの企業でオムニチャネル化が進んでいることを受け、高橋氏は、「顧客は、その都度、最適なチャネルを選ばなければならなくなった。迷わせない導線と、そのチャットボットは何ができるのかを明示させるといった工夫で、わずらわしさを感じさせないことが重要」と指摘した。
これに対して、垣内氏は、「顧客が多いか少ないか、Webサイトの規模によって最適化のアプローチは異なります。取扱製品が幅広く顧客数が多い場合は、チャネルに対するニーズが多様なため、複数のチャネルで同じ対応ができるようにする一方、特定領域に特化したビジネスで顧客数がそれほど多くない場合は、導線をシンプルにして不要なチャネルをなくすといった発想も必要」と具体的な改善策を示した。
会場には連日、多くの聴講者が来場し、満席となるセッションもあった。