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2022年2月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

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わたちゃん

<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること

課題山積!「踊り場」にきたチャットボット

ISラボ 代表 渡部弘毅

 毎週、日曜日はジムで「やさしいエアロ」のレッスンを受けている、わたちゃんです。数年通っていると要領を得てきて、我ながら上手になっていると思っていたのですが、先日、ひとつ上のクラスの人たちの踊りを見て全然上達していないことに気づき、愕然としました。

 コンタクトセンター業界では、数年前からチャットボットの導入が盛んに実施されています。

 LINEを中心としたテキストコミュニケーションが生活者のなかに浸透しはじめたことなどから、企業の問い合わせ窓口としてチャットユーザーインタフェースが普及しました。そしてセルフヘルプデスクサービスとしてのチャットボットは、顧客にエフォートレスな体験を提供し、企業側は人的コスト削減を期待できる救世主的な存在になりました。AIを業務に適用した事例としては、ディープラーニングによる回答生成が話題になり、その「正答率」が注目されました。金融機関をはじめ、大手企業による大規模投資が積極的に行われています。

 しかしながら、この数年のブームともいえるチャットボットの成果は本当に出ているのでしょうか。

 リックテレコムが毎年発刊している、「コールセンター白書」の2021年版に興味深いデータを見つけました(グラフ参照)。これによると、チャットボットの解決率は52%、チャットボットへのネガティブな印象は35%となっています。つまり、ディープラーニングへの巨額な投資をしたものの、顧客にとっての「解決率」はあまり上がっていないのです。ベンダーや企業サイドから見た「正答率」は上がり、自動化は進んだという認識が高まる一方で、顧客には使いづらく、不満を抱えたサイレントカスタマーを増やすリスクを持った運用になっているコンタクトセンターも少なくないことが想定されるのです。

 チャットユーザーインタフェースによるコミュニケーションは、顧客の利便性が高く恩恵があった一方で、チャットボットによる自動化の推進は、適用業務や導線設計、AIの使い方など、再検討すべき要素が多く、課題山積という「踊り場」にきているのではないでしょうか。

 ということで、文字通り「踊り場」にきている僕のダンスも、次なるステップに向けて課題を整理し対策を練りたいと思います。かといって、せっかく仲良くなったオジサン、オバサン達と別れて上のクラスのレッスンにいくのは楽しくないので、このクラスでの上達方法を考えます。

グラフ


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