<コーナー解説>
ITソリューションの導入に関し、背景や動機、選定要素と運用ポイントを聞く事例記事です。
ゴールドウイン
オンライン接客ツールをベンダーと共同開発
「店舗に行けない顧客」の受け皿として活用
コロナ禍、アパレル業界をはじめ、百貨店などリアル店舗を運営する多くの業態が店舗閉鎖や営業時間短縮を余儀なくされた。そうした中、新しい接客手法として注目を浴びたのが「オンライン接客」だ。収束の兆しが見えた今も、カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の有力な手法として利用が拡大している。
THE NORTH FACE、HELLY HANSEN、DANSKINなどの有力ブランドを展開するゴールドウインは、2020年秋にオンライン接客を試験導入し、現在約20店舗で運営している。導入したのは、CXプラットフォーム「KARTE」などを開発運営するプレイドが開発したビデオ接客プロダクト「KARTE GATHER」だ。
ゴールドウイン 販売本部 EC販売部長 梅田輝和氏は、「リーズナブルなレディメイド製品でありながら、R&Dフェーズのプロダクトということもあり、当社の要望も加味しながら導入に向けて両社で意見を出しながら進めていける点に期待を持ちました。加えて、プレイド担当者が店頭に何度も足を運び、顧客視点を理解しようとする姿勢も信頼できました」と振り返る。
今月のPOINTS!
■システム概要
プレイドの「KARTE GATHER」は、ECと店舗をシームレスにつなぐオンライン接客ツール。顧客の個別利用状況に合わせて、クーポンやオンライン接客の誘導が可能。スマートフォンやタブレットなど店舗にある既存デバイスでの利用が可能なため、導入コストを抑えることができる。サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析できる「KARTE」との連携も可能。
■選び方のポイント
共同開発の持ちかけであったことから自社の要望を反映できると判断。プレイド担当者が店頭に何度も足を運び顧客視点を理解しようとしていた姿勢にも好感。これらにより、他社と比較することなく導入が決まった。
■使い方のポイント
ターゲットを、コロナ禍の非対面接客に限定せず、恒常的に店頭での買い物が難しい妊婦を想定。アフターコロナにも利用者が広がる狙いとした。運用はあくまで店頭接客を優先とし、店舗に負担をかけないよう配慮を重ねたことでスムーズな導入に至った。
ゴールドウイン 販売本部 EC販売部長 梅田輝和氏(左)、プレイド カスタマーエクスペリエンスデザイナー 金井良輔氏(右)
図 KARTE GATHERの利用導線
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