サービスレベル
「X秒以内にY%のコールに応答する」のXとYの数値に、接続品質と生産性のすべてが左右される。これが、「サービスレベル」だ。
インバウンド型コールセンターのマネジメントを最も端的に表現すると、「顧客がかけてくる電話に対応できるスキルのオペレータを必要な人数、配置する」ことである。必要人数の算出に最低限、必要な数値が「予測した呼量数」と「サービスレベル目標値」で、アーランCという計算式で割り出すことができる。これらが揃っていない状態で運営し、仮に問題なかったとしても、それは「経験と勘」、そして「偶然」の結果であり、再現性はほぼない。応答率を基準とした場合も同様で、経験・勘・偶然に「顧客の我慢」か、「人員配置の無駄」が加わるだけの話だ。これほど重要な数値にも関わらず、それを設定しているセンターは半数しかいない(図)。これこそが、国内コールセンター運営が成熟しない、最大の要因といえる。
図 電話対応のサービスレベル目標値の設定について(N=161)