休憩室で談笑するスタッフたち
応対ブースには、オペレータの出身国の国旗が並ぶ
ランゲージワン オペレーション部
ここは“ランゲージワン国”
多様性を束ねる「ルール」の浸透
ランゲージワン(東京都渋谷区)は、13カ国語に対応した多言語コールセンターサービスを提供。鉄道会社や官公庁、医療施設、通信会社を利用する在留、訪日外国人向けに、三者間通訳やメール翻訳、ヘルプデスクサービスを行っている。
オペレータ約50名の大半を、17カ国の外国人スタッフが占める。5名いるSVの国籍はネパール、中国、ベトナム、日本とさまざま。それだけに、仕事に対する共通認識を持つことは難しく、山川 久美子執行役員は、「国や文化、宗教が違えば、感性や常識も異なります。日本企業だからといって、日本のやり方を通すことは難しいです。ですから、センターを“ランゲージワン国”と1つの国に見立て、勤務態度や業務への取り組み方、物事の考え方についても詳しく教えます」と説明する。
伝達方法にも工夫を凝らす。日本語能力試験の最高位N1を持つスタッフたちの、文書の理解度は非常に高い。そのため、口頭で周知できることも、あえて文書化して理解度の均質化を図る。周知には専用のデジタル掲示板やホワイトボードを使い、相手の理解度によっては手書きのメモを渡している。
スタッフの平均勤続年数は5年以上。全員が兼業はせず、本業として勤務している。定着率は品質にも直結するからこそ、長く勤めてもらえるよう、資格取得をはじめ、医療や法律などの専門知識の習得も積極的に支援する。日本への永住を望むスタッフも多く、安定的に勤務できる雇用形態もとっている。
国籍は違えど、スタッフ自身も“日本に暮らす外国人”。自分と同じ境遇の人が困っているのを助けたい。その思いが、オペレータのモチベーションとサービス品質を高めている。
1日も早くチームにも溶け込み、業務に慣れてほしいと自己紹介の代わりともなる「コミュニケーションカード」を机に掲示。スタッフ同士がお互いを知り、会話をするきっかけにもなっている