部門のマネジメント職や稼働管理メンバーはやや高い位置から見渡すことが可能
ジャパネットコミュニケーションズ
充実した設備と報酬、評価の仕組み
採用激戦区を勝ち抜く従業員ファーストの施策
通販大手のジャパネットホールディングス。同社のカスタマーサポート(CS)を一手に引き受けるのが、ジャパネットコミュニケーションズだ。福岡、長崎、東京の8拠点で、直接雇用の従業員2000名近くが勤務する。
とくに人材激戦区の福岡市では、各拠点の土地柄を考慮して採用や業務内容を設計している。最大規模の博多オフィスは、中枢機関として機能。元家具店のショールームだったという広大なフロアを活用した“働きやすい環境”を構築した。執務室にはパーティションがなく、さまざまなチームが隣り合う。
通販会社ならではだが、商品確認できる部屋もある。電子レンジや炊飯ジャー、掃除機、衣類などあらゆる商品がずらりと並ぶ。もちろん、この時期に目玉商品のエアコンも用意され、設置工事の際に必要な部分の質問にも答えられる準備がされている。
タニタ食堂のメニューを提供する社員食堂をはじめ、福利厚生も充実。休憩室は、カフェやお座敷など複数タイプがある。また、仮眠室や勉強スペース、マッサージチェアも配備している。子育て中のスタッフも多いことから、託児所も完備。制度上は3歳までのところを、小学6年生にまで対象を広げた時短勤務も認めている。誕生日月には、会社が食事代などを負担する「ハピめし」という制度もある。パートやアルバイトを含む社員が利用できるなど、コミュニケーションを活性化する施策も多い。
さらに正社員、契約社員、嘱託社員(年棒制含む)は、最大16日間のリフレッシュ休暇の取得も可能。キャリアルートは長期的なキャリアが築けるよう、SVに限定しない各自の適性に合わせたSV養成コース、支援スタッフコースなど複数のコースを用意している。
商品確認できる一室。販売しているさまざまな商品が並ぶ
広々とした社員食堂。メニューも豊富
約1700名が参加したコンクール
13名の精鋭が競った最終審査
もちろん、応対品質向上の取り組みにも余念がない。例としては、電話応対のコンクール「TOP of Quality」の開催が挙げられる。
同コンクールは2019年から開始しており、今回、初めて対象をグループ全体の15社に拡大。実に1692名もの応募者から選抜された13名の優秀者が、実際に商品の受付・問い合わせ対応をデモンストレーションし、審査員が評価した。今年の審査員には、ジャパネットコミュニケーションズの立石有太郎社長、前回優勝者であるコミュニケーター(同社のオペレータの呼称)の松本景子氏のほか、フリーアナウンサーの山中秀樹氏などを招へいした。
出場者はエアコン選びの相談や疑問という設定で約4分間、疑似応対披露。カタログやマニュアルを見つつ、さまざまな顧客からの質問に丁寧に回答し、注文提案までつなげていた。「お客様の期待を超える応対か否か」を基準に20点満点で採点した。
優勝したのはジャパネットコミュニケーションズの設置サービス部の富田和歌子氏。ジャパネットが販売する豪華客船で日本各地を巡るクルーズ10日間の旅がペアで体験できる権利に加え、副賞として所属課への打ち上げ代5万円も贈られた。
「このような賞をいただき本当に嬉しいです。4月に産休・育休から戻ってまいりまして、この会社で私に何ができるかと毎日考えておりました。たくさんの人たちが紡いできた商品をお客様に最後の最後に全身全霊で伝えるのが私たちの仕事だと思っています。これからもジャパネットのコールセンターの応対は日本一だと思ってもらえるようにみんなで尽力してまいります」(富田氏)
立石社長は、「毎回、レベルが上がっています。自分が応対したり、応対を聞いていた10年前と比べると、本当にまったく違います。第三者機関の調査でも高い評価をいただき、お客さまの期待もとても高まっています。この13人の応対品質をスタンダードにしないといけないと強く感じました」と総括した。
電話応対コンクールのノミネート者、審査員の集合写真。13名の精鋭がスキルを競った
優勝した富田和歌子氏。「顧客の期待を超える対応」と称賛された
審査員として招かれたフリーアナウンサーの山中秀樹氏。「皆さんは見せかけではない、心からの感情を言葉にしている」とコメント