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2017年7月号 <インタビュー>

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大角 暢之 氏

労働力不足時代の救世主「RPA」
ルーチンワークから人類を開放する

日本RPA協会
代表理事
大角 暢之 氏

産・官が共同で労働力不足の解決策として注力しているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。「ロボット化が進んでいるブルーカラー(生産現場)に比較してホワイトカラーの効率化が進んでいない」と指摘する日本RPA協会の大角代表理事に、具体的な事例や効果を聞いた。

Profile

大角 暢之 氏(Nobuyuki Osumi)

日本RPA協会 代表理事

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。2000年オープンアソシエイツを設立、取締役に就任、ビズロボ事業部を発足し提供開始。2013年ビズロボジャパン(現RPAテクノロジーズ)を設立し代表取締役社長に就任。2016年一般社団法人日本RPA協会を設立、代表理事に就任。

──なぜ今、「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」が注目を集めているのでしょうか。

大角 不足している労働力を、安価に手間数少なく補えることが実証されはじめているからです。

 一般的にRPAを1つ導入すると、人間2〜5人分に相当する業務を処理できます。これまでも、工場では多くのロボット(機械)がブルーカラー業務を補完する目的で導入されてきましたが、RPAは経理や財務、総務などのホワイトカラー業務を代行します。

──具体的にRPAを説明してください。

大角 レコーディング・ツール(ソフトウエア)と捉えるとわかりやすいと思います。人間が行う業務の処理手順を登録すると、処理手順を覚えたRPAがさまざまなアプリケーションを自動的に操作しはじめます。通常のITと異なるのは、プログラミングが不要なところです。RPAテクノロジーズが提供している「ビズロボ」も同様です。最も規模の小さなものだと、使い始めるまでの時間が1時間程度で済むこともあります。

 協会では、RPAの活用レベルを3つの段階に分けています。クラス1は定型業務の自動化。クラス2は非定型業務の自動化。クラス3は高度な自律化です。

──非定型となると人工知能(AI)に近い印象ですが、違いは何でしょうか?

大角 クラス2〜3は人工知能の技術で知られるディープラーニングや自然言語処理などの技術を使います。明確に区別できるものではありませんが、一般的な人工知能が目指しているものとの最大の違いは「予測」の有無です。多くの人工知能が目指しているのは、小売りや流通業界の需要予測や交通機関向けの天候予測です。ところが、大半の実業務に予測は必要ありません。これを削ぐことで、価格、導入、運用の敷居はかなり下がります。

 現在、推進しているのはクラス1です。これはセンサーと手足だけで知能がありません。

 例えば、高齢者サービス付き住宅で、認知症の方だけが屋外に外出しないように管理したいという依頼がありました。これは、顔を判別するマスターデータ(画像)とセンサー、ルールを設定し、該当者の顔を認知してメールを送信する仕組みで解決しました。

──適用範囲が広そうですね。その他、どのような事例がありますか。

大角 三菱東京UFJ銀行では、試験的に20種類のRPAを導入し、8000時間分の事務処理作業を削減しました。ある程度の属人的な作業であっても、一定のルールに基づく作業であればRPAを適用できることが実証され、本格的な採用に至りました。

 オリックスグループでは……

(聞き手・嶋崎有希子)
続きは本誌をご覧ください


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