アウトソーサーの雇用対策に見る
「正社員化」と「キャリアパス」の重要性
採用難と人手不足を背景に、アウトソーサーの存在感が増しつつある。しかし、当のアウトソーサーにとっても人材不足は深刻な経営課題だ。大手各社は「入口(採用)より出口(離職防止)」と、現場スタッフの無期雇用化と正社員化に舵を切る。主要4社の取り組みから「多様な働き方を支援する正社員モデル」を検証する。
コールセンター市場は、慢性的な人手不足が続いている。新規募集をかけても応募者が集まらず、「1人あたりの採用コストは従来の数倍」という声も聞かれる。とくにインハウス運営の企業では、自社だけで採用・育成が追いつかず、アウトソーサーや派遣会社を頼らざるを得ない状況だ。
これを裏付けるデータもある。「コールセンター白書2017」によれば、アウトソーサーを活用する理由について「自社採用だけでは必要な労働力が確保できない」と回答した企業が69.9%に達している。「業務量の変動に対応するため」(60.3%)や「人件費の削減」(46.2%)が昨年よりそれぞれ7ポイント下げた一方で、「人材確保できないため」は7ポイント上昇していることからも、事態の深刻さがわかる。
しかし、アウトソーサーにとっても人材不足は深刻な問題だ。いかに応募者を集めて採用し、優秀な人材に育成していくか。ベルシステム24、りらいあコミュニケーションズ、KDDIエボルバ、TMJ、4社の雇用対策を見ていく。
図 アウトソーサー(委託/派遣)を活用する理由(複数回答あり)
(出典:コールセンター白書2017)
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