コールセンターのKPIは、単体で見るのではなく、相関関係を読み解きながら検証することが重要だ。以下では、KPIの相関関係性を読み解く方法を解説する。
KPIは密接に相関している
下図は、「応答率を向上させるため」に使うロジックツリーだ。
応答率を向上するには、「応答呼数を増やす」または「放棄呼数を減らす」ことが必要だ。そのプロセスを進めるうえで、チェックすべきKPIはいくつもある。
具体的には、「平均通話時間」「平均後処理時間」「保留数(率)」「モニタリングスコア」「エスカレーション数(率)」「離席数(率)」「一次完了数(率)」などだ。応答率は、これらのKPIと密接に相関している。つまり、応答率単体の数値を眺めているだけでは、真の解決策を練ることはできない。
例えば、「応答率が悪化してきたから人員を増やす」という取り組みは、必ずしも有効な解決策とは限らない。その要因が平均通話時間の上昇である場合は、モニタリングによる品質管理や保留率(数)、エスカレーション率(数)などを検証する必要がある。
(連載「新任マネージャーのためのコールセンター運営の基礎知識」より抜粋 月刊コールセンタージャパン2017年3月号掲載)
著者:五月女 尚
この著者の講座は、「コールセンターマネジメント講座・実践編」「 実践!KPIマネジメント・課題解決講座」です。