「ブロックチェーン」でたらい回しを防ぐ!
目からウロコのコールセンターでの活用法
製品やサービスごとに活用しているDBなどのシステムが異なる。こうした状況下では、電話の「たらい回し」が発生しやすい。ニチガスは、ブロックチェーン技術を活用して分散したDBをセキュアに連携、顧客対応の品質と効率を大幅に向上させた。
「窓口が異なるのでお答えできません」という“たらいまわし”は、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)の観点からは最悪に近い対応といえる。CRMシステムやDBが統合できないことが要因のケースは多いが、DB統合には多額の費用を要するため容易に解消できる問題ではない。
LPガスや都市ガス、電気などを提供する日本瓦斯(ニチガス)は、ブロックチェーン技術を活用して、複数のDBを簡易に仮想統合するソリューションを開発した。同社には、大きく5つの顧客DBが存在。コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対応する際、分散するDBそれぞれにアクセスする必要があり、情報検索に時間がかかっていた。効率の面でも、CXを高めるためにも検索時間の短縮が課題になっていた。
同社の執行役員でエネルギー営業本部情報通信技術部 部長の松田祐毅氏は、「DB統合よりも安価かつ簡易に課題を解決する方法を探していたところ、エストニアが政府主導で開発したデータ連携基盤『X-Road(エックスロード)』をベースに複数DBを一括検索できる仕組みを構築できると判断しました」と開発の経緯を説明する。
図 新システムの導入で情報検索の時間を短縮
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