デジタルシフト時代のVOC活動(2)
「人材、KPI、成果」の課題解消法
CXMコンサルティング 代表取締役社長 秋山 紀郎
急速に広がるデジタルシフト時代に、どのようにVOCを活用していくべきか、前回に続きその手法を解説する。今回は成功に導くヒントとして、VOCを集め、分析するために必要とされるスキルに関する考察と、プロセスに直面する代表的な課題とその対処方法を取り上げる。
前回、解説した通り、VOC活用の実行部門は社長の直轄に位置付け、関連する部署とともに全社レベルでPDCA活動を展開すべきだ。しかし、そこで問題となってくるのが、実行部門のメンバーにはどのようなスキルを持つ人材を配置するかという点である。VOC活動においては、企業内外のさまざまなデータを分析したうえで、結果について考察し、顧客中心主義マインドのもと、関連部署が適切な意思決定ができるように伝えていく技術が必要となる。具体的に必要なスキルは、広範囲にわたるが1人が担う必要はなく、それぞれの専任者が集まればよい。そのうちのひとつである統計解析スキルについては、AIの登場と進化によって不要になったという人もいるが、それは誤った認識だ。「データを読み解く力」の必要性は不変である。
今回はVOC活動に必要なスキルを解説したうえで、代表的な3つの課題と対処方法を解説する。
課題1:VOC分析を実施する人材が社内にいない
課題2:モニタリングしているKPIに改善が見られない
課題3:分析しても新しいことが得られなくなった