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2022年1月号 <わたちゃんのかすたま〜えくすぺりえんす>

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わたちゃん

<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること

江戸の昔からある「三方良し」はSDGsの発想

ISラボ 代表 渡部弘毅

 魚はどちらかというと赤身より白身が好きな、わたちゃんです。マグロに代表される赤身の大型回遊魚よりも、カサゴやメバルみたいな近海でうろうろしていることが多い白身のお魚がいいんです。

 「三方良し」とは、近江商人の心得をあらわしたもので、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の3つの「良し」を達成して、売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売だという考え方です。ビジネスの世界ではよくWin-Winの関係として、企業とお客様がともに利益を享受する関係、すなわち「売り手良し」と「買い手良し」の考え方は登場しますが、同等の位置付けとして「世間良し」を定義している意義を深く考えていなかった方も多いかと思います。

 ところで、SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身も取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。

 そして、今までの「消費社会」から「持続可能な社会」に大きく舵をきるには、持続可能な社内を意識した生産活動や、消費活動が重要です。

 この考えは、三方良しの「世間良し」を最優先課題として実現するという前提のもと、売り手良し、買い手良しの世界をつくっていこうという考えだと言えます。江戸時代の近江商人は、まさしく当時からSDGs的発想で商いをしていたということです。こうした昔から大切にしてきた考え方を忘れて、高度成長期に生産と消費を増やしていく、すなわち「消費社会」に突き進んだツケが、今、回ってきたというところでしょうか。

 ということで、僕の好きな魚の世界でも三方良しの兆候がみられます。「シロハゲ」「ニギス」「ケツブ」など、一般の人にはなじみの薄いマイナー魚を提供する外食店が増えているようです。今までは、水揚げが不安定なことや見た目の悪さから、獲っても捨てられることが多かった魚が、産地と消費地の橋渡しになる業者の登場などにより脚光を浴びるようになりました。味もまあまあのようです。

 漁業関係者は少しでも収入になり、外食店は美味しいものを安く提供でき、消費者も喜び、環境にもいい。まさしく、「三方良し」の事例ですね。

 企業の人材も流動性が増して「三方良し」の考えで、皆がハッピーになれるようになればいいですね。大型回遊魚もいいですが、近海のマイナー魚だっていい味出しているんです。

SDGs


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