積極的な質問・提案力をチェック
「アウトバウンド品質」の自動評価
──日本トータルテレマーケティング
コールセンターのモニタリング評価に、音声認識による自動評価を導入する企業が増えている。この手法は従来、インバウンド業務が主体だったが、日本トータルテレマーケティングはアウトバウンド業務の自動評価に挑戦。成果につながる質問・提案力を定量的に診断している。
コールセンターの応対品質向上にはモニタリングが欠かせない。しかし、管理者の手間や時間を要することから、十分に実施できないというセンターも多い。そこで関心が高まっているのが、音声認識を使った自動応対品質評価だ。
コンタクトセンター・フルフィルメントサービスを展開する日本トータルテレマーケティングは、受託業務の応対品質維持・向上を目的に、独自の「NTMスタンダードモニタリングシート」を設け、全スタッフを応対評価する「全件調査」を実施している。具体的には、20の評価項目に対し、1点:要改善、3点:標準、5点:お手本──で採点。基準点である60点を超えることを目指している。
しかし、全員が基準点を超えるレベルにはなかなか到達できなかった。現場が繁忙なため、モニタリングやフィードバックに時間を取れないためだ。そこで、自動応対品質評価の導入に踏み切った。
応対品質評価は、プロセスチェック(○×で判断可能)とスキルチェック(音声表現)に分かれる。自動化を図るのはプロセスチェックで、言ったか・言わないかを判定する。また、システムでカバーできない部分は、有人で評価する。システムと人のハイブリッドによる応対品質評価を目指したという。
とくにこだわったのが、アウトバウンド業務の評価だ。インバウンド業務は顧客の用件に応えるが、アウトバウンド業務は企業の用件を顧客に伝え、納得してもらわねばならない。必然的に評価するポイントが異なってくる。記事では、自動応対品質評価のシステム構成、イン/アウトバウンドでの評価ポイントの違いなどについても解説している。
日本トータルテレマーケティング 品質管理室グループマネージャーの齊藤哲也氏(右)と、チーフスーパーバイザーの河辺彩乃氏(左)
図 自動応対品質評価による「全件調査」の仕組み
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