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2022年1月号 <キーパーソン>

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土屋 喜嗣 氏

コミュニケーションを司るプラットフォーマー
「選ぶ/使い分ける」ニーズに応える!

日本アバイア
代表取締役社長
土屋 喜嗣 氏

PROFILE

土屋 喜嗣 氏(Yoshitsugu Tsuchiya)

日本電信電話株式会社、アクセンチュア、RSAセキュリティ、ベライゾンジャパン、日本ヒューレット・パッカード ソフトウェア事業統括(分社統合後 マイクロフォーカスエンタープライズ)、およびサイバネットシステムなど、26年間情報通信・ITの分野に従事

国内コンタクトセンター市場で大きなシェアを持つ日本アバイア。2021年10月に新社長に就任した土屋氏はオンプレミス、クラウドを問わず提供する「コミュニケーション・プラットフォーマー」としての地位確立を目指すと意気込みを語った。

──社長就任から2カ月経ちましたが、コンタクトセンター市場の趨勢をどう捉えていますか。

土屋 市場規模はITとBPOあわせて約1兆円、年3〜5%ペースの成長とされていますが、課題も多く感じています。チャネルやサービスの追加が頻繁なので、その都度システム連携が必要で要件が複雑化しており、業界全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)やIoTへの対応に迫られている印象です。

──2021年度(2020年10月〜2021年9月)の売上げは。

土屋 グローバルでは前年比3.5%増で着地しました。ここ10年間では最も大きな成長で、在宅オペレータなどのリモート環境構築への需要などが大きなフォロー要因です。

 一方、日本国内ではその水準までは至りませんでした。当社のお客様は比較的企業規模が大きく、長期的な計画に基づいてコンタクトセンターに投資されています。結果、懸念されたコロナ禍での中止・中断案件はほとんどありませんでしたが、クラウド化の流れにやや立ち遅れたこともあって、とくに在宅シフトはさほど大きな成長要素にはなっていません。

──確かに競合他社と比較すると、クラウド対応には遅れを取っている印象は否めません。

土屋 オンプレミス主流の時期は、信頼性や高機能性、先進性が大きな武器でした。ただ、2015年ころに登場した“クラウドネイティブ”への注目、そして2017年、米本社に(米国における民事再生法にあたる)チャプター11が適用されました。日本でのビジネスは当時も堅調だったとはいえ、その2つが(伸長への)大きな壁となったのは事実だと思います。一方で、これらの事象がコンタクトセンターという強みに経営資源を集中させる契機になったという前向きな見方もできます。もちろん、クラウド強化は進める方針です。

──具体的な戦略は。

土屋 「コミュニケーション・プラットフォーマー」としての地位確立を目指します。グローバルでは「コンポーザブル・エクスペリエンス・プラットフォーム」と表現していますが、用途に合わせてプライベートクラウドだけでなく、パートナーと協業する形でパブリッククラウドも用意したい。もちろん、オンプレミスも含めて“使い分けることができる”ことを強みにしていきたいと思います。今は、市場全体がクラウドへの移行期です。そこで、オンプレミスでの導入や更改時でも、課金モデルはサブスクリプション型を設定、クラウドサービス並みに利用しやすく、将来のクラウドシフトに備えられる契約形態もすでに展開しています。


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