座談会
個社対応の限界“業界”共通の定義と対策とは
「カスタマーハラスメント」の現状と課題(後編)
コンタクトセンター運営企業、業界を束ねる協会、法律家の4名が、カスタマーハラスメント対策の現状と課題について議論する。後編は、カスハラの原因や実際の対応事例について意見を交換。カスハラがもたらす社会への影響についても言及する。
前編に続き、コンタクトセンター運営企業、業界を束ねる協会、法律家の4名による座談会を開催。後編では、カスハラの起因をはじめ、実際の対応事例を紹介。それぞれの立場から考える、カスハラ対策の今後についても議論を重ねた。
化粧品や健康食品を扱うファンケル、ネット証券のSBI証券でも自社が起因となるカスハラ事案が発生している。さらに、贈り物として商品を受け取った人からの問い合わせが、難クレームに発展する事例もあるという。
こうしたケースの場合、贈り物と偽る消費者との見解も示された。過剰にお詫びの品を送るのではなく、“等価交換”の対応になることを、しっかりと伝えることが悪質なクレームを防止するポイントとなる。
法律の観点からも、どこで購入された品なのかを正確に確認したうえで、対応すべき。仮に、“もらった物”と偽り、物品を要求していることが実証されれば、詐欺行為にあたる可能性が高いという。
日本菓子BB協会では、ガイドラインをまとめたほか、会員各社から寄せられたクレーム解決例をもとに、現場を守る取り組みを促進。“コール対応時に本名を名乗らない”などの対応を呼びかけている。
出席者(順不同)
大泉 智 氏
ファンケル
カスタマーリレーション部 部長
河田 裕司 氏
SBI証券
カスタマーサービス部長
天野 泰守 氏
日本菓子BB協会
アドバイザー
香川 希理 氏
香川総合法律事務所
代表弁護士