NECは、導入企業向けのコンタクトセンターセミナー「OneDayPerfect!」を東京都港区で開催した。
セミナーは、3部構成。第一部の基調講演では、ラーニングイット代表取締役の河合晴代氏が登壇し、アウトソーサー在籍時の現場立ち上げや運営改善の経験をもとに、オペレータ、SVの育成手法を解説した。
ラーニングイット 代表取締役の河合晴代氏
冒頭、河合氏は、「コンタクトセンターに求められる役割が、従来の質問に『答える』から、顧客の気持ちに『応える』にまで範囲を広げているにも関わらず、育成は従来手法を踏襲しているにとどまっている」と述べた。例えば、オペレータは、新人研修での詰め込み型の業務知識習得が主流で、CSマインドの醸成や応対スキル教育が不十分である現状を指摘。「研修を担当するトレーナーの定義の見直しや、登用方法、育成、評価体制の整備が必要」と強調した。SVについては、コンタクトセンター業界全体で育成環境が整っていないと現状を分析、「ASVによるフォロー体制の構築などによって『オペレータの育成力』『現場改善力』を身につけるための時間と場所を確保すべきです」(河合氏)。
NECビジネスクリエイション本部 マネージャーの朝本純功氏
朝本氏は、コンタクトセンターが求められる役割の変遷を辿った
このほか、NECビジネスクリエイション本部 マネージャーの朝本純功氏が、「BCP対策」「ソーシャルCRM」「オムニチャネル」「AI」などのコンタクトセンター業界に影響を与えたキーワードを挙げながら、求められる役割の変化を解説した。朝本氏は、「現代のコンタクトセンターは経営直下の組織であり、CS向上や売上貢献だけでなく、企業人材の育成の場やCSR活動の拠点としても価値を創造できる」と述べ、NECとしてそれを支援していく方針を示した。
第二部は、NEC スマートネットワーク事業部 主幹の大庭正裕氏が、「IoT時代のコンタクトセンター」について講演。IoTとコールセンターを組み合わせたアフターサービスやみまもりサービスといった新サービスが拡大していくことを示唆したうえで、そうしたサービスを支えるAI技術として同社が開発、提供する「NEC the WISE」の特徴や機能について解説した。
「AIに対する期待はVOC分析が半数以上を占める」と述べる
NEC スマートネットワーク事業部 主幹の大庭正裕氏
大庭氏は、「コールセンターを運営する方々にAIに対する期待を聞くと、VOC分析が半数以上を占める」と話し、WISEに含まれる「テキスト含意認識」や「会話解析ソリューション」などの技術を紹介。テキスト含意認識は、異なる複数の文章が意味的に同一であるかどうかを判断するというもので、これを適用することで、VOCの分類や集計の精度が大幅に向上するという。会話解析ソリューションは、対話の内容から顧客の“怒り”という感情を検知したり、コールリーズンを判断してACW(アフターコールワーク)の短縮につなげるといった活用が可能だ。
続いて、ISラボの渡部弘毅代表が「カスタマーサービス部門が主体となって明日の売上をつくる カスタマージャーニーの作り方、使い方」と題して講演した。渡部氏は、「ロイヤルティを向上することが、明日の売り上げ、つまり今後の永続的な収益をもたらすアプローチであり、そのためにはカスタマージャーニー・マップを作り顧客体験を可視化することが重要」と提唱した。カスタマージャーニー・マップは「作って満足」になりがちなため、「あるべき状態を決めたうえ、想定されるネガティブ体験を減らしてポジティブ体験を増やすという視点で具体的な改善施策に結び付けることが重要」と強調した。
第3部では、先進事例の取り組みを共有した
第三部は、NECフィールディング、千趣会、NECビジネスプロセッシングの3社が事例となる取り組みを紹介。サービスのスピードや応対品質に対する顧客の期待値が高まり続けるなか、各社ともIT活用や人材育成を進めることで、期待を超えるサービスを提供、事業を拡大している。
いずれの講演も、AIやCX(カスタマー・エクスペリエンス)といった新しい技術、概念を取り入れながら、コンタクトセンターは日々進化しているということを改めて示唆するもので、会場では多くの聴講者が熱心に聞き入っていた。
セミナーは、3部構成。第一部の基調講演では、ラーニングイット代表取締役の河合晴代氏が登壇し、アウトソーサー在籍時の現場立ち上げや運営改善の経験をもとに、オペレータ、SVの育成手法を解説した。
ラーニングイット 代表取締役の河合晴代氏
冒頭、河合氏は、「コンタクトセンターに求められる役割が、従来の質問に『答える』から、顧客の気持ちに『応える』にまで範囲を広げているにも関わらず、育成は従来手法を踏襲しているにとどまっている」と述べた。例えば、オペレータは、新人研修での詰め込み型の業務知識習得が主流で、CSマインドの醸成や応対スキル教育が不十分である現状を指摘。「研修を担当するトレーナーの定義の見直しや、登用方法、育成、評価体制の整備が必要」と強調した。SVについては、コンタクトセンター業界全体で育成環境が整っていないと現状を分析、「ASVによるフォロー体制の構築などによって『オペレータの育成力』『現場改善力』を身につけるための時間と場所を確保すべきです」(河合氏)。
NECビジネスクリエイション本部 マネージャーの朝本純功氏
朝本氏は、コンタクトセンターが求められる役割の変遷を辿った
このほか、NECビジネスクリエイション本部 マネージャーの朝本純功氏が、「BCP対策」「ソーシャルCRM」「オムニチャネル」「AI」などのコンタクトセンター業界に影響を与えたキーワードを挙げながら、求められる役割の変化を解説した。朝本氏は、「現代のコンタクトセンターは経営直下の組織であり、CS向上や売上貢献だけでなく、企業人材の育成の場やCSR活動の拠点としても価値を創造できる」と述べ、NECとしてそれを支援していく方針を示した。
第二部は、NEC スマートネットワーク事業部 主幹の大庭正裕氏が、「IoT時代のコンタクトセンター」について講演。IoTとコールセンターを組み合わせたアフターサービスやみまもりサービスといった新サービスが拡大していくことを示唆したうえで、そうしたサービスを支えるAI技術として同社が開発、提供する「NEC the WISE」の特徴や機能について解説した。
「AIに対する期待はVOC分析が半数以上を占める」と述べる
NEC スマートネットワーク事業部 主幹の大庭正裕氏
大庭氏は、「コールセンターを運営する方々にAIに対する期待を聞くと、VOC分析が半数以上を占める」と話し、WISEに含まれる「テキスト含意認識」や「会話解析ソリューション」などの技術を紹介。テキスト含意認識は、異なる複数の文章が意味的に同一であるかどうかを判断するというもので、これを適用することで、VOCの分類や集計の精度が大幅に向上するという。会話解析ソリューションは、対話の内容から顧客の“怒り”という感情を検知したり、コールリーズンを判断してACW(アフターコールワーク)の短縮につなげるといった活用が可能だ。
続いて、ISラボの渡部弘毅代表が「カスタマーサービス部門が主体となって明日の売上をつくる カスタマージャーニーの作り方、使い方」と題して講演した。渡部氏は、「ロイヤルティを向上することが、明日の売り上げ、つまり今後の永続的な収益をもたらすアプローチであり、そのためにはカスタマージャーニー・マップを作り顧客体験を可視化することが重要」と提唱した。カスタマージャーニー・マップは「作って満足」になりがちなため、「あるべき状態を決めたうえ、想定されるネガティブ体験を減らしてポジティブ体験を増やすという視点で具体的な改善施策に結び付けることが重要」と強調した。
第3部では、先進事例の取り組みを共有した
第三部は、NECフィールディング、千趣会、NECビジネスプロセッシングの3社が事例となる取り組みを紹介。サービスのスピードや応対品質に対する顧客の期待値が高まり続けるなか、各社ともIT活用や人材育成を進めることで、期待を超えるサービスを提供、事業を拡大している。
いずれの講演も、AIやCX(カスタマー・エクスペリエンス)といった新しい技術、概念を取り入れながら、コンタクトセンターは日々進化しているということを改めて示唆するもので、会場では多くの聴講者が熱心に聞き入っていた。