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2017年11月号 <インタビュー>

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柳川 範之 氏

“一生の仕事”はもはや成立しない!
AI時代の「働き方改革」とキャリア構築

東京大学大学院経済学研究科
教授
柳川 範之 氏

「AIは人間の仕事を補完するもの」という認識は広がりつつあり、単調作業は確実にAIに置き換わる。柳川範之教授は、テクノロジーの急速な進化を踏まえたうえで、新たなキャリア構築を提唱。40歳定年制や人生で2回転職する「三毛作」を唱える。あるべきキャリアプランや人材育成について聞いた。

Profile

柳川 範之 氏(Noriyuki Yanagawa)

東京大学大学院経済学研究科 教授

1988年慶應義塾大学経済学部卒業。1993年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。同年慶應義塾大学経済学部専任講師。1996年東京大学大学院経済学研究科助教授。2007年同准教授。2011年同教授。主な研究課題は、経済活動に対する法律や制度の影響や、イノベーションを促進させるための企業戦略の分析。

──これまで、社会制度や法律によるビジネスや経済活動への影響について研究されてきたそうですが、AIの台頭で急速にテクノロジーが進化するなか、ビジネスや働き方はどのように変化するとお考えですか。

柳川 スマホやタブレットが登場した10年ほど前から、コミュニケーションや購買活動など生活基盤は急速にインターネットにシフトし、消費者の行動は大きく変化しました。こうした消費行動や生活の変化と同じスピードで企業活動や働き方も変わるはずです。しかし、残念ながら、それを直視して積極的に受け止めている企業は非常に少ない。変化に対する不安と期待はつきものですが、収入に直結する仕事に関する変化はとくに不安が大きく感じられ、後ろ向きに捉えられがちなためです。変化を的確に捉え、正しく判断するためには、まずどのような不安や期待がありうるのか、その要素を可視化することが必要です。

──NIRA総合研究開発機構では、「AIと働き方に関する研究」を進め、今年3月に成果をまとめられました。詳しく教えてください。

柳川 研究では主に3つの結論が出ました。まず、既存の仕事の多くが徐々にAIにシフトしていくということ。次に、すべてがシフトするわけではなく、AIが担うのは一部で、人とAIは補完関係になるということ。3つ目は経営課題となりますが、一部の仕事がAIにシフトした結果、既存の組織や人員配置を見直さなければならないということです。組織構成のパラダイムシフトも見据えて、AI導入を進めていく必要があります。

──AI活用が本格化すると、働き方はどのように変化していくのでしょう。

(聞き手・石川 ふみ)
続きは本誌をご覧ください


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