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クレーム対応のレシピ 第28回

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1週間放置すれば収束は不可能?!
クイック・レスポンスは鉄のおきて 


著者:JBMコンサルタント 玉本美砂子
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 もう大昔のことであるが、当社でパソコンを導入したとき、その見積書のFAXを「明日中に送る」と約束した業者がいた。

 一般的なビジネスタイムは9時から18時、販売店系だと10時から19時頃までではないだろうか。
これを加味すれば、ビジネスシーンで「FAXを明日中に送る」と約束した場合、遅くとも17時までには送るべきだ。

 「明日中に送る」と言われた翌日、待てど暮らせどFAXが届かない。
苛立ってきて、こちらから電話を入れると、担当者は外出しているとの返事だった。
結局、FAXを見たのは翌々日の朝。
そこには昨晩の午後11時の受信記録が残っていた。

 「明日中に送ると言ったのにどういうことか?」とクレームの電話をしたら、「はい。そのようにしましたが」とのんびり答える。
どうやら彼にとっての「明日中」は時計の針が夜の時を指すまでのことだったらしい。

 これを非常識だと思うのは筆者だけだろうか。

 たとえば「月末に振込みをする」という約束も、振込日が末日になってしまったのであれば、朝一番には入金されているのが常識だと考える。
3時までに入っていれば、それでいいというものではない。
どうしても遅れてしまう場合には、その旨一報入れるべきだ。

 せっかちな人間にとって、クイック・レスポンスは不可欠だ。

 初めて対応する相手であっても、少し会話をすれば、だいたいの性格はわかるものだ。とくにクレーム応対では、相手がせっかちなのか几帳面なタイプなのか――性格や行動特性をよく理解したうえ、相手の求めるスピードで対応するとよい結果を生むことが多い。

あくまでも相手にしっかり合わせることが大切だ。
100%解決した案件でも、対応が遅いと顧客満足は得られない。

 経験則ではあるが、クイックな対応をすることで、クレームの90%は解決する。
3日放置すれば60%に解決する確率は落ち、1~2週間もほったらかしにしたら収束は絶望的だと考えた方がいい。
とくに証文の出し遅れは後の祭りにつながる。
顧客からは完全に見放されることになるだろう。

 先日、当社でクレームが発生してしまったときのことだ。
その連絡を受けた筆者はすぐに、「ただ今、東京におりますが、すぐに大阪に向かいます」と相手先に電話を入れ、大阪に向かい謝罪した。
すぐに駆けつけることで、こちらの誠意は伝わったのではないだろうか。

 確かに、クレーム対応は嫌なものである。
しかし、嫌なものだからこそ、先延ばしにしてはならない。先手必勝だ。

 流行のフレーズを使えば、「クレーム対応は、いつ、やるの?」「今でしょ!」なのである。

(コンピューターテレフォニー2013年7月号掲載)

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