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2022年1月号 <サービスのプロに聞く>

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土田 綾 さん

<コーナー解説>
店舗など、コールセンター以外を含めた接客やサービスのプロにその心構えやノウハウを聞きます。

無理難題にも上手く寄り添う
“セカンドベスト”の実践

ANAエアポートサービス
旅客サービス部
土田 綾 さん

Profile

2013年、新卒でANAエアポートサービスに入社、ANAと他キャリアの国際線の業務を担当。現在は国内線の業務も兼任。2021年、接客技術を競い合う「Haneda's Prideコンテスト」に約2000人のなかから選出され、準グランプリに輝いた。

 空港という非日常空間で活躍するグランドスタッフは、華やかなイメージとは裏腹に、空港内を日々駆け回っている重労働を担う。

 定刻になっても、搭乗口に現れない顧客がいれば、あらゆる手を駆使して顧客を探し出す。「お客様のために走り回ることは空港業務ならではの、機内ではできないおもてなしです」と、旅客サービス部の土田 綾さんは語る。

 空港には、老若男女問わず、さまざまな顧客が訪れる。だからこそ、土田さんは「お客様が求めているコミュニケーションは何か」を常に考え、傾聴することを心掛けている。

 傾聴に加え、経験値をもとに、時期や顧客層を踏まえて接することで、最適なおもてなしとなる次のアクションも見えてくる。

 例えば、パスポートの情報から誕生日が近いとわかったり、会話から新婚旅行だとわかれば、ラウンジのスタッフや客室乗務員に引き継いで、アニバーサリーカードなどを用意することもある。土田さんは喜ばれたエピソードの数々を笑顔で語った。

 ただし、喜ばれることばかりではない。時には顧客に「出発できない」というネガティブな事実を突き付けなければいけない場面もある。ビザが正しく取得できていなかったり、パスポートの残存期間が不足しているケースだ。準備を整え、出発を心待ちにしている顧客にとってはにわかに受け入れがたい。納得できず、なかなか引き下がることができない場合もある。

 「出発できない」という結論は最終的に変えようがないとしても、土田さんは可能な限りで“セカンドベスト”を探し出すという。その姿勢や考え方に迫った。


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