<著者プロフィール>
職業:顧客経験価値にこだわる戦略立案&業務改革コンサルタント
過去勤めたことのある企業:日本ユニシス、日本IBM、日本テレネット
週末の過ごし方:
<ケース1>隅田川あたりをぶらぶら散歩して浅草で飲んだくれたあと銭湯で汗を流す
<ケース2>スポーツジムでヨガレッスンを受けて汗を流す
最近の悩み:昔は痩せの大食いだったのが、最近は小食の小太りになっていること
目的別「カスタマーサポートでのコミュニティ」運用
ISラボ 代表 渡部弘毅
数年前まで、コミュニティと言えば仕事関係がほとんどでしたが、最近は近所のスポーツジムでのコミュニティが居心地よくなっている、わたちゃんです。利害関係もなく自分よりも年上の方と毎日同じ話題を繰り返して風呂やサウナでくつろぐ時間が、楽しみで仕方ありません。これは、そろそろ仕事を引退しなさい、という天からのお告げかと思う時があります。
カスタマーサポート業務において、コミュニティの役割は非常に効果的で、とくにSaaS事業者では盛んに活用しています。
6月23日の「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス in大阪」では、5年後のコンタクトセンター研究会ストラテジー分科会のセッションで、SaaS事業者であるアドビとヘイのCS責任者を交え、カスタマーサポートやカスタマーサクセスの実践手法としてのコミュニティについてパネルディスカッションをしました。
カスタマーサポートにおけるコミュニティの役割は大きく2つの軸があります。ひとつはカスタマーサポート業務の効率化、もうひとつはファンづくりです。効率化を目的にする場合、最大のメリットは「問題解決」であり、サポートへの問い合わせ件数削減や、他社製品との関連による複雑な問題などにも対応することが可能です。一方、ファンづくりのためのコミュニティは、主にユーザーの「仲間づくり」をサポートします。顧客同士のコミュニケーションを活性化させる仕掛けや運用を企業が主体的に行うことが欠かせません。
どちらも重要な目的ですが、企業のビジネス環境によって重点が異なります。パネルディスカッションでは、2社の違いが鮮明になりました。
アドビはマーケットリーダとしてのポジションで、数多くのプロダクトをサポートしなくてはいけないという環境下にあります。そこでカスタマーサポート業務の効率化に対してコミュニティを効果的に活用しています。一方、ヘイは非常に競争が激しいビジネス環境であり、業務寄りのアプリケーションサービスであるため、カスタマーサクセス機能の一環として離反防止とファンづくりにコミュニティを有効活用しています(図参照)。どちらも先進的な取り組みで大いに参考になりました。
ということで、僕のコミュニティ活動ももう少し目的を明らかにして取り組む必要があるのかもしれません。仕事を離れても、ただ風呂に入って世間話をするコミュニティだけでなく、近所でももう少しモチベーションの高い活動目的をもったコミュニティに参加しようかと思います。やっぱりダイエットからかな。
図 二社二様のコミュニティ運用比較